宇宙デブリ除去実証衛星のADRAS-J、2024年2月18日に打ち上げ成功
宇宙デブリ除去実証衛星のADRAS-J、2024年2月18日に打ち上げ成功
世界で初めて宇宙デブリ除去の実証調査を行う衛星ADRAS-Jが、ニュージーランドのマヒアにある発射場Launch Complex 1から2月18日23時52分(日本時間)に打ち上げられました。
ADRAS-J打上げオンラインイベント – アストロスケール公式YouTube
ADRAS-Jは日本の企業アストロスケールが開発した衛星で、近年問題となっている宇宙デブリの調査を目的としています。
運用が終了した衛星やロケットの残骸などの宇宙デブリは現状回収方法がないため、年々増加の一途をたどっており、2019年の調査では、10cmを超す大きなデブリだけでもおよそ3万5千近くの人工物が軌道上にあると報告されています。
これらのスペースデブリは高速で軌道上を周回しており、衛星や宇宙船、国際宇宙ステーションに衝突するリスクがある他、2000年代に入って大気中で燃え尽きず地上に落下するスペースデブリも増加しており、人間や家畜などの動物が負傷する例もあります。
デブリの状況はNASA軌道デブリ観測所やESA(European Space Agency 欧州宇宙機関)のスペースデブリ望遠鏡などで観測が行われていますが、衛星を利用して宇宙デブリに実際に近づき、調査を行うのは世界初の取り組みです。
ADRAS-J は2009年に打ち上げられたHⅡAロケット上段部の残骸をメインターゲットに接近、調査を行う予定としており、打ち上げから4日後の2月22日には初期運用を終了、デブリに接近するフェーズへ移行しました。