「あっという間の26年。後輩に道を譲る。」JAXA退職へ 宇宙飛行士・野口聡一さん

野口聡一宇宙飛行士がJAXA退職。新しい道へ。

宇宙航空研究開発機構(JAXA)の宇宙飛行士として、日本の有人宇宙活動を牽引してきた野口聡一さん(57)が2022年6月1日付けで退職されました。野口さんは1996年にJAXAの前身の宇宙開発事業団(NASDA)に民間企業の社員から宇宙飛行士に選抜されました。2005年には米スペースシャトルで初めての宇宙飛行を経験し、2009年には露ソユーズで国際宇宙ステーションに5ヶ月半の長期滞在、一昨年の2020年には米民間企業の宇宙船「クルードラゴン」の1号機に搭乗し、これまで3回の宇宙飛行を経験しました。通算の宇宙滞在は344日、日本人としては歴代2番目の記録です。

©NASA/2020年米「クルードラゴン」1号機搭乗時(写真右)

記者会見の中で次世代の子供たちに向けて、「宇宙を目指す子供たちに夢を持ってもらえるような活動を続けたい。今目の前にある世界だけでなく、新しい世界に自分たちは行ける。宇宙はその一つのきっかけだと感じてほしい。」と語ってくれました。今後は研究・教育機関で民間人の立場から、次世代の宇宙を担う子供たちの育成に注力されるとのことです。

現在JAXAでは13年ぶりの宇宙飛行士選抜試験が実施されています。年明けには宇宙飛行士候補者が選抜される予定です。未来の宇宙飛行士たちは、野口さんの意思を継ぎ、日本人として初めて月面探査などの重要なミッションを行うことになり、今後の有人宇宙の発展にも益々注目が集まります。

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